モーニングショー
[2025/02/07 15:49]
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大谷翔平選手の元専属通訳の水原一平被告に禁錮4年9カ月の判決が出ました。
■水原被告禁錮4年9カ月の判決
銀行詐欺罪などに問われていた、大谷選手の元専属通訳・水原一平被告。スーツ姿で現れ、報道陣からの問いかけに答えることなく裁判所へ。
日本時間の6時過ぎから始まった裁判では…。
検察側
「水原被告は通訳として、英語を学んでいる大谷選手より優位な立場に立っていた。その大谷選手を2年近く裏切っていた」
目はうつろなまま証言台へ。
水原被告
「大谷選手へ本当に謝罪したい。この過ちは本当に大きかった。政府、ドジャース、自分の家族にも謝りたい。罰を受ける覚悟はできています」
「4年9カ月の禁錮刑」と「大谷選手へおよそ26億円の賠償金」
そして下された判決は、水原被告に「4年9カ月の禁錮刑」と「大谷選手へおよそ26億円の賠償金」を命じました。
裁判官
「禁錮4年9カ月と大谷選手へ1697万ドルの賠償金支払いを命じる」
裁判所を出た水原被告は、記者からの問いかけに答えることなく、うつろな表情のままその場を後にしました。
元通訳による巨額の詐欺事件。検察側が提出した証拠の中に、水原被告が銀行から不正に送金した際の音声が残っています。
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2022年2月のキャンプイン前に録音された3分46秒の音声データ。銀行との会話が克明に記録されていました。
水原被告
「オンラインバンキングにログインしようとしたら『ただいまご利用できません』と表示されたので電話しました」
銀行担当者
「受取人の名前と取引金額を教えて下さい」
水原被告はこの銀行に、少なくとも24回ほど大谷選手になりすまして連絡していたといいます。
水原被告(2018年4月)
「(Q.(大谷選手と)一緒に接していてどうですか?)すごい楽しいですね。お互い楽しくやっていけているんじゃないかとは勝手に思っています」
2018年に渡米して以来、6年にわたって専属通訳として常に大谷選手のそばにいた水原被告。情状酌量を求めるため、自らの主張を手紙で裁判官に送っていました。
水原被告の申立書
「人生に唯一希望を見いだせたのはギャンブルをしている時だった。大谷選手のお金に手を付けることに大きな罪悪感を覚えたが、その時は解決法はそれしかないと思った」
金銭的に厳しかったためギャンブルにのめり込み、依存症になったとする水原被告。しかし検察側は意見書で、水原被告の主張を真っ向から否定しました。
連邦検察の意見書
「当時、被告の当座預金口座には520万円(3万4000ドル)以上あり、自身の持ち金でブックメーカーに支払うことも可能だったが、代わりに大谷氏から盗むことを選んだ」
検察側は「ギャンブル依存症」ではなく「欲望」から不正を行ったと主張しています。
水原被告の申立書
「通常、日本の野球選手がアメリカに移籍する場合、運転手、トレーナー、シェフ、球場外の通訳、サポートスタッフなど、様々な仕事を担当する複数のスタッフを連れて行きます。ですが、翔平が一緒に連れてきたのは私のみでしたので、ほとんどのことにおいて当然私がサポートする必要がありました。24時間365日呼び出しに待機しているようでした」
この水原被告の主張に対しても、検察側は水原被告の情状酌量を求める手紙には「反省がない」と強く反発しました。
連邦検察の意見
「この機会を利用して謝罪し、心からの反省を示すべきところで、被告は公に出る書類を使い、仕事や大谷氏について不満を述べた」
一方、水原被告は当時の収入についても詳細に語っています。
水原被告の申立書
「大谷翔平のもとで働き出してからの金銭状況について簡単に触れておきます。エンゼルスからの年俸は2018年に約1290万円(8万5000ドル)、2019年から2021年までが約1320万円(8万7000ドル)、2022年が約1510万円(9万9611.16ドル)そして、2023年に約3800万円(25万ドル)」
他にも大谷選手からシーズン中に月に約2万円、オフシーズン中は月に約40万円支払われていたとしたうえで、こう主張しました。
水原被告の申立書
「私は賃金が極めて低いと感じていた。しかし毎年1年契約だったので、彼らを怒らせクビになることを恐れ、自分の主張はできませんでした」
球団の年俸と大谷選手からの支払い額では「金銭的に厳しかった」と主張。さらに…。
水原被告の申立書
「特に翔平がアメリカに来たばかりのころは、日々の翔平の用事に対応するため、彼の近くに住む必要がありました。ということは、彼の近くで家を借りる必要があり、家賃は安くないということです」
高い家賃に加え、日本とアメリカを往復する飛行機代などの出費が大きな負担となり、「ギリギリの生活」だったとしています。
しかし検察側は…。
連邦検察の意見書
「真実ではありません。被告は自分の家賃を支払っていませんでした。実際、水原被告が大谷氏の許可なく、自身のアパートの家賃を大谷氏のデビットカードで支払っていた証拠があります。大谷氏から運転用のポルシェももらっていた。さらに、被告が裁判所に述べたこととは反対で、被告の当座預金口座には常にかなりの残高がありました。2023年3月約460万円(3万236ドル)2024年3月には約3000万円(19万5113ドル)ありました」
さらに水原被告は、手紙でこんなことも主張しています。
水原被告の申立書
「何年も、本の執筆、テレビやラジオのインタビュー、テレビCMの出演など、金銭的に大変助かるであろうオファーを頂いておりましたが、翔平と彼の日本の会社から打ち切られてしまいました」
これについても検察側は…。
連邦検察の意見書
「これも事実ではありません。むしろ大谷氏は被告にオファーを受けるよう勧めていた」
当初は最長禁錮33年とも言われた量刑でしたが、司法取引が成立した末、検察は求刑を禁錮4年9カ月に短縮しました。
さきほど下された水原被告への量刑は求刑通り「禁錮4年9カ月」。さらに大谷選手へ約26億円の支払いが言い渡されました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年2月7日放送分より)